きみに、好きと言える日まで。


アナウンスが流れ、

招集ゲートにハイジャンの選手たちが集まり始める。


いよいよ……耀くんの出番……。



あたしの指が強張る度に、凛ちゃんの温かい手に力が込められた。





神経が研ぎ澄まされていたせいか、携帯が鳴っているのにも気づかなかった。



「まひろ、電話鳴ってる」



凛ちゃんにそう言われ、どちらからとも離した手でカバンから携帯を取り出す。



こんな時に誰?


本当は、グラウンドから目を離したくない。


それでも鳴り続ける携帯を無視できず、

グラウンドと携帯、交互に目線を送ると




「……っ」



二度見してしまう名前が点滅していた。








着信









"八神耀太"


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