きみに、好きと言える日まで。

目に溢れた涙は今にも零れそうで、耀くんの顔はハッキリ見えないけど。


声だけは聞き逃さないように、携帯をきつくきつく耳に押し当てた。



『俺の跳ぶ意味は、まひだ』



"俺の跳ぶ意味、分かったから"



忘れもしない、1年前に聞いた言葉。


あの日の決意は……。




『だから今度こそ、見てて』




それは、1年前に果たしそびれた約束。



こんなにも想ってくれる耀くんに、あたしはなんて言葉をかければいいんだろう。


これから大舞台へ挑む彼へ……。





でも。

あたしの想いだってひとつ。




だから。





「……てないよ……」




思いっきり息を吸って。




「……初めから、耀くん以外見えてないっ……!!」




飾りもしないストレートな気持ちを、言葉に乗せた。


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