きみに、好きと言える日まで。
「オーッス!」
続いて、耀くんが教室に入って来た。
「――っ……」
自分の妄想が恥ずかしくて、人知れず顔を熱くした。
拓弥くんとは違って朝からいい汗をかいた耀くんは、
活き活きした顔をしている。
クラスの誰にともなく挨拶した後
「おはよ、まひ」
って、あたしの頭に手を置いた。
「お、おはよう……」
「ん?なんか顔赤くね?」
「なっ、なんでもないよっ……」
凛ちゃんには否定したくせに、微かな期待を拭えない自分。
耀くんはそんなつもりはないかもしれないけど、こういうのが特別って思っちゃうんだ。
ドキドキの二乗で、普通に受け答えが出来ているか自信ないよ。
赤いだけだって、もう致命的なのに……。
「あ、耀くん」
「ん?」
「ネクタイ……」