きみに、好きと言える日まで。
は、早い。
じゃあ……どうすれば。
「きゃっ」
もたもたしていると、耀くんが急に自転車を傾けた。
カバンを胸に抱えたままのあたしは、いっぺんにバランスを崩す。
「そうそう。腕はここ、カバンはこっち」
……あたしの手は。
無意識に耀くんを掴んでいた。
耀くんはカバンを前のかごに入れると、あたしの手を自分の腰に回させる。
後ろに乗っているだけでもドキドキしてたのに。
こんなに密着したら、ドキドキが伝わっちゃうよ。
「しっかりつかまっとけよ」
「………うん」
ギュって掴んだら、シャツの背中に頬が当たった。
あったかい。
耀くんの背中。
ちょっと顔を離して、真っ白な背中を見つめる。