きみに、好きと言える日まで。
どのくらいこうしていたんだろう。
気づけば陽は完全に沈み、辺りは真っ暗になっていた。
いつの間にかバーも片づけられていて、グラウンドの隅に佇んだままだったことを知った。
……か、帰ろう。
何をしてたんだろう……と、我に返ったあたしより一足先にグラウンドを下りたのは、別の影だった。
「………見てた?」
低い声を放つ白いTシャツの背中は、数歩先で足を止めた。
「……っ」
多分、さっきの彼。
盗み見してたのがバレちゃった。
……いけなかったのかな。
低い声に怖さを覚えた。
すごいですね、とか、感動しました、とか言って許してもらう?
けれど、声を出したのは彼の方が早かった。
「……内緒な」
柔らかく告げたその口に、人差し指を立てて……。