きみに、好きと言える日まで。
「ここな、まだガキん時に父さんが連れて来てくれたんだ」
「お父さんが?」
「ああ。男同士の秘密って言って、母さんに内緒で」
唇に人差し指を立てる。
「そういうの憧れるなぁ……」
お父さんカッコいいな。
男同士の秘密とか、ロマンがあって憧れる。
……でも。
「いいの?」
「ん?」
「そんな秘密の場所、あたしに教えちゃって」
お母さんも知らないこの場所を、あたしが知っちゃったら……ね?
なんだかお母さんに申し訳ないな。
もちろん、お父さんにも。
「まひだから」
「……え」
「まひだから見せたかったんだ」
……心臓の音が、うるさい。