きみに、好きと言える日まで。


……そんなこと言われたら。

あたし

また勘違いしちゃう……。



でも。


耀くんが、どうしてあたしに見せたいと思ってくれたのか、それはまだ確かじゃないけど。


あたしへの"特別扱い"が、勘違いでもなんでもないって言ってくれた気がした。



無言のまま、しばらくふたりで夕焼けを見つめていた。


燃えるように真っ赤な夕陽。

ゆっくりゆっくり沈んでいく。


真っ赤だった辺りは、薄暗くなった。




「なんか、淋しいね」



もうすぐ、一日が終わる。


何だかもの悲しくなった。



「俺は全然」

「……え?」

「まひがいるから」




───トクン……。


耀くんを見る。


耀くんは、ただ前を見ていた。



そのとき

夕陽は完全に沈み、辺りを闇で包んだ。

< 61 / 372 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop