きみに、好きと言える日まで。
「ユウヒ、ここに居たのか。良かった。お母さんが心配してたぞ?」
グラウンドへ入ったことも、ひとりで勝手に離れてしまったことも咎めない。
一言目に妹を心配する言葉。
やっぱり、優しいお兄ちゃんなんだろうな。
「ごめんなさい。おねえちゃんが、いたいいたいになっちゃった」
「えっ……」
「ゆうひじゃなくて、まもってくれたおねえちゃんにボールがぶつかっちゃったの」
彼は、そこであたしの存在に気づいた様子。
声を掛けて来た。
「妹を庇ってくれてありがとう。
……大丈夫?」
痛さに神経が集中していたせいで、気づかなかったのかもしれない。
いつもならすぐに分かる、この声が。
「大丈夫です」
顔を上げて驚いた。
「……!?」
「……!!」
女の子のお兄さんが
耀くんだったから。