きみに、好きと言える日まで。
「優飛ちゃん、お花が好きなんだね」
あたしは今、優飛ちゃんと一緒にお花つみをしている。
八神優飛(ユウヒ)ちゃん。
3歳。耀くんの妹。
面談最中に抜けだしちゃった優飛ちゃん。
『戻るぞ』って言った耀くんに、教室に戻りたくないと駄々をこねた。
だから、あたしが『見てるから』って言って、優飛ちゃんの遊び相手になっているんだ。
グラウンドじゃ危ないから、裏庭へ移動した。
初めて来たこの場所には、春のかわいい花がたくさん咲いてた。
優飛ちゃんがいなかったら、そんなことにもきっと気づかなかったんだろうな。
「優飛ちゃん、はい。指輪」
「わ-い。うれしー!」
「じゃあ、もっと何か作ってあげようか?」
「うん!」
一面に咲くシロツメクサ。
ひたすらアクセサリー作りをする。