きみに、好きと言える日まで。


そんなことをしているとあっという間に面談の時間は終わり、耀くんが迎えにやって来た。



「おにいちゃん!」



耀くんの姿を見つけると、駆けよって腰に飛び付く。

耀くんは優飛ちゃんを抱きあげると肩車した。


初めて見るお兄ちゃんの横顔に、ドキドキした。



「いい子にしてたか?」

「うん!」



ぴったり寄り添う微笑ましい兄妹の絵。



優飛ちゃんになりたいなあ……。


なんて、バカみたいなことを思うあたし……。



耀くんは紙パックのジュースを3つ手にしていた。

苺ミルク2つと、コーヒー1つ。



「はい、優飛の好きな苺ミルク」



それにストローを差すと優飛ちゃんに渡し、もう1つがあたしに手渡された。



「サンキューな、まひ」

「ありがと。ふふっ」



ここで優飛ちゃんチョイスで、あたしにも同じものを買ってきたのが笑えた。


自分はコーヒーなのに。


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