きみに、好きと言える日まで。
彼の手、彼の声
それから1年後───…
緑ヶ浜高校のグラウンドは、今日も朝から活気づいていた。
あたし、羽鳥まひろ(ハトリマヒロ)は高校2年生になった。
テニス部のあたしは、グラウンドの奥にあるコートで朝練に励んで……
「まひろっ!前っ!」
「えっ……」
バシッ───!!!
「……ッ」
目の前に火花が散った。
……飛んできた先輩のサーブが、顔面を直撃したんだ……。
朝練が終わって。
水道の前でしゃがみこむあたし。
「……ったくもう。結構腫れてるから、ちゃんと冷やさなきゃダメよ」
赤く腫れたおでこに濡らしたタオルを押し当ててくれるのは、親友の、紺野 凛(コンノ リン)ちゃん。
まだフラフラしていたあたしは、凛ちゃんに手を引かれながらここまでやってきた。