きみに、好きと言える日まで。
「こらぁ!」
そのとき。
突然雷声が聞こえてビクッとした。
「ゲッ!千夏先輩……」
振り返った耀くんの驚き方はすごかった。
優飛ちゃんがバランスを崩すほど。
そこは、反射神経の良い耀くん。
落とすことなく持ちなおしたけど。
「サボってると思ったら、こんなとこでデート?」
女の先輩が、ストップウォッチをクルクル振りまわしながら近寄って来る。
なぜかモデル歩きで。
それより、デートって言葉にひとりドキドキした。
デート……に、見えるのかな。
耀くんはどう思っているか分からないけど、単純に嬉しいあたしがいる。
「先輩に向かって"ゲッ"とはなあに?」
その先輩は躊躇いもせず、耀くんの頭をパシッとはたいた。