きみに、好きと言える日まで。
「痛っ、いたたたた……」
結構手荒い手当だ。
どうせなら、もうちょっと優しくして欲しいな。
……とはいえず、あたしは歯を食いしばる。
「もう……朝からどこ見てんのよ」
凛ちゃんは大きくため息を吐いた。
「ごめん……」
「別に謝らなくてもいいけどさ。まひろの病気も困ったもんだよね」
「ううっ……」
……病気って。
凛ちゃんも言うよね。
凛ちゃんはポニーテールが良く似合う、とってもサバサバした活発な女の子。
去年はクラスが違ったけど、同じテニス部が縁で仲良くなったんだ。
「ほら、こんな顔じゃ教室行けないでしょ?もっと顔上げて」
「……うん」
実際、あたしは病気でも何でもなくて。
ただ、好きな人の姿を探していただけだもん。
……部活中にすることじゃないけどね……。