きみに、好きと言える日まで。


「痛っ、いたたたた……」



結構手荒い手当だ。


どうせなら、もうちょっと優しくして欲しいな。

……とはいえず、あたしは歯を食いしばる。



「もう……朝からどこ見てんのよ」



凛ちゃんは大きくため息を吐いた。



「ごめん……」

「別に謝らなくてもいいけどさ。まひろの病気も困ったもんだよね」

「ううっ……」



……病気って。

凛ちゃんも言うよね。


凛ちゃんはポニーテールが良く似合う、とってもサバサバした活発な女の子。

去年はクラスが違ったけど、同じテニス部が縁で仲良くなったんだ。



「ほら、こんな顔じゃ教室行けないでしょ?もっと顔上げて」

「……うん」



実際、あたしは病気でも何でもなくて。

ただ、好きな人の姿を探していただけだもん。



……部活中にすることじゃないけどね……。

< 8 / 372 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop