きみに、好きと言える日まで。


退院してからも、俺達の交流は続いた。

忙しい中、時にはハイジャンの大会を見に来てくれたりもした。


すごく大好きだった。


いつしか俺の父さんになってくれたら……って、夢みたいなことも思っていた。



無理矢理家に連れて来させては、家族ごっこみたいなことをさせて。


俺の主治医としか見ていなかった母さんも、そのうち心を許す様になって、真っすぐで心の広い親父に惹かれて行ったんだ。


幸せになった母さんを見て、天国の父さんもきっと喜んでくれている。

俺はそう信じてる。



母さんは父さんのこと、今でも心の奥底では愛してる。

それはわかるから。


俺も、父さんのことは今でも忘れられないくらい大好きだし。





「優飛と母さんを頼むな」



優飛を俺にバトンタッチすると、親父は病院へ向かった。

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