きみに、好きと言える日まで。
*第3章*
くじ引き
【耀太】
「また山登り~?勘弁してくれよ~」
拓弥が机に突っ伏して文句を言う。
来月、交流を深めるための校外学習があるらしい。
それが山登りだというのだ。
なんの面白みもなさそうな校外学習の内容が発表され、クラスの誰もがシケた顔をしていた。
言われてみれば、去年入学直後に行った親睦会も山登りだったよな。
「拓弥はこのくらい楽勝だろう?」
担任の成瀬が、笑いながら言う。
「走るのと登るのじゃ全然違うって!」
その意見に一票。
体を動かすことが好きな俺だって、山登りなんて御免だ。
「じゃあ、班決めのくじ引きするぞー」
まだブツブツ言ってる拓弥に苦笑いしながら、成瀬がくじ引きの箱を振る。
「くじ引き!?」
ちょっと待て!
今度は俺が声をあげた。
「なんだ、今度は耀太か。なにか文句あるのか?」
あるある!
大アリだ。
机に両手をついて立ち上がった俺に、成瀬は箱を振りながら問いかける。
「なんでくじ引きなんだよ!席順でいいじゃねーかよっ!」
そしたら、まひと一緒に……。