きみに、好きと言える日まで。


校外学習なんて急接近のチャンスじゃねーか。


疲れてるまひの荷物を持ってやったり

肩貸してやったり……。



そう思ったら、山登りも悪くないと思ったのに。


俺の下心が泡となって消える。



「ああ~~」



ついてねー。



「なに落ち込んでんだよ」



拓弥が俺の肩を抱く。



その手に見えたくじ引き。



「おりゃあ!」

「おいっ、ちょっ……こらあっ!」

「いっただきぃ!」



拓弥のくじに"B"って見えたから。



「一生のお願いだ」



俺は瞬時に、拓弥のくじとすり替えた。



「俺の未来が掛かってるんだ!」

「はぁ?」


「耀太と拓弥、早くしろー」



成瀬が班の表を作るのに、くじを渡せと急かす。



「は~い。これで~す!」



俺は"Bのくじを成瀬に渡した。




それからの俺は、遠足を心待ちにしていた。


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