きみに、好きと言える日まで。
「な、なんでもないよ。早く下りよう。雨降ってきたら困るし」
それをスルーして足を動かすと。
「よくない。さっきから庇ってるじゃんか」
耀くんはあたしの腕を掴んだ。
……誤魔化せそうにない。
耀くんは、あたしのことを良く見てる――
強制的に足を止められ、観念して言う。
「……一昨日、テニスで捻挫しちゃって」
「……マジかよ」
驚きと溜息の混ざりあった声。
その後、すぐにこう決断した。
「少し休もう。みんなに言ってくる」
「待って!」
少し先を行くみんなの元へ小走りした耀くんの後を追いかけて、リュックを引っ張った。
「大丈夫だから!」
「……それのどこが大丈夫なんだ?」