きみに、好きと言える日まで。
少し低い声。
普段聞いたことのないような声に、キリキリ痛む胸を押さえながら言った。
「みんなに迷惑掛けたくないの。頑張れるから。……ね?」
じっと目を見つめて訴える。
あたしのせいで
班のみんなに迷惑をかけたくない。
……耀くんにも。
お荷物だなんて
思われたくないから……。
耀くんは、しばらく黙ってあたしを見つめ返した後
「……ほんとに無理だったら、ちゃんと言うこと」
そう言う耀くんの目は、いつになく厳しかった。
痛みに耐えながら下山を再開。
さっきまで穏やかだった風が、次第に強くなってきた。
空を見上げると、真っ黒な雲が全体を覆い始めた。