唯一の愛をキミに【完】
律に大学で起こった馬鹿な話を笑いながらみんなでしていると由香里の話になった。


律が他のヤツにも会いたいと言ったとき仁奈が閃いたと言わんばかりに立ち上がった。


「あっ!ゆかりんも呼ぶ?今日モデルの仕事休みだって言ってたし」


一瞬、ほんの一瞬だけど由香里の名前が出た途端に空気が変わった。


もちろん、イヤな空気にだけれど。


「……。止めておけ。休みってことは充とデートしてるだろ」


俺がそう言うと空気は益々重くなった。


そんな空気の流れを変えたのは意外にも彼女だった。


「あのっ!わたしそろそろ帰るんで…。上原くん、一緒に帰りませんか!?」


驚いたけれどこの場から離れたかった俺は彼女と一緒に喫茶店をあとにした。
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