唯一の愛をキミに【完】
「お姉ちゃん!お兄ちゃん!ライオン、ライオンがいる!!!」


レオはライオンが好きなのかライオンの檻を見つけると一目散に走っていった。


「走ると転ぶぞ!」


檻の前に辿り着いたはいいが肝心のライオンは他の客の柵により見えない状態だった。


レオはがんばってジャンプをしてるがそんなのでは見れる訳なくて。


しょうがないな…。


俺はしゃがみこむとレオの小さな手を掴んだ。


「おい。肩車してやるから、乗れ」


「お兄ちゃん、いいの?」


「そんなんじゃ、いつまでも見れないだろ?」


恐る恐る俺の肩にしっかり乗ったレオを確認するとゆっくり立ち上がる。


「お兄ちゃん!すごいよ!見えた!ライオンいた!!!」


頭上からレオの興奮している声が聞こえた。


隣にいる唯を横目でチラッと見つめると何かを考え込みながら、なんだか元気がないように見えた。


「唯?どうした?」


「お姉ちゃん?」


俺が心配そうに唯に声をかけると、それを感じ取ったのかレオも心配そうに声を出す。
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