唯一の愛をキミに【完】
「……。ずっと好きだった奴が自分の親友と付き合ったら笑うしかないだろ?」


俺がそう言うと彼女は黙って聞いてくれた。


「それからさ、好きでもないどうでもいい女の子たちと遊んでるけど全然満たされないんだよな」


俺は何を言ってるんだろうか。


初めて会って、それに自分自身に好意を寄せてくれている子に。


「上原くん…」


「あっ、こんな話、軽蔑した?」


彼女みたいな純粋な子には刺激が強すぎたかと心配したけれど、ブンブンと首を横に振っていた。


「上原くんの気持ち、わかります」


俺の気持ち?


それは違う人を好きな人を想う気持ち?


「わたし、上原くんのことが好きなんです」


彼女は真剣な目をして顔を赤くしながら俺に告白してきた。


「好きですっ…。わたしと付き、付き合ってもらえませんか?」


声が、震えている。


きっと告白なんて初めてなんだろうな。
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