唯一の愛をキミに【完】
「あっ、起きた?唯の家に行くってメール入れたけど、気付かなかった?」


「上原くん…?ごめん、寝ちゃってメール見てなかった」


「いいよ。唯の可愛い寝顔を見れたから」


それに唯の可愛い本心も聞けたし。


そう言うと少し照れた顔を見せる唯に愛しさが増す。


ゆっくりと唯と距離を縮め、あと数センチで唇に触れようとしたとき、


「うっ、上原くんっ!ちょ、ちょっとストップ!」


なぜか急に慌てだした唯によってそれを遮られた。


「えっ?どした?」


「上原くん!さっきわたし、何か言ってなかった!?」


「何か?寝言ってこと?」


そりゃあめちゃめちゃ可愛い寝言を聞きましたよ。


でも秘密。


ちゃんと俺から伝えたいし、起きてる唯からしっかりと聞きたいから。


「…大丈夫。寝言なんて言ってなかったよ」


そう言うと唯は安心した顔を見せた。と、同時に部屋に響き渡る唯の腹の虫の音。
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