唯一の愛をキミに【完】
確かに、充も俺と同様に中学に入ってから彼女を作って遊んで別れての繰り返し。


俺の場合は寄ってきたら拒まず付き合ってたが、充は自ら女共の輪に飛び込むような男だ。


過去に浮気をしていたのは知っていたが、人のことをとやかく言える恋愛をしていなかった俺は充を咎めることはしなかった。


でも由香里に出会ってから充は女遊びは止めていつも真剣に由香里と向き合っていたのに。


「友達…とかそんなんじゃないよな」


唯に意見を求めるのも筋違いだろうけど、充の浮気現場を目撃してしまった今、ため息しか出てこない。


「悪い、変な雰囲気になったな。後で充と話してみる」


「うん…」


食事もそこそこに切り上げ唯の家に戻るけれど、やっぱり充のことが気になる。


「やっぱり気になるから今から充のとこに行ってくる」


「うん…。そうだね」


唯の家には上がらずに玄関で引き返すと急いで充のマンションへと向かった。
< 124 / 150 >

この作品をシェア

pagetop