唯一の愛をキミに【完】

大学で充と会っても、充は普段と変わらずで由香里とのことはどうなったのかと思う。


まぁ俺がモヤモヤしてもしょうがないのは百も承知だけれど。


気持ちを切り替えないとな。


今日は唯と付き合ってちょうど一年目。唯に想いを告げようと思う。


「おはよう、哲。休みなのに早いわね。出かけるの？」


母親が大きなあくびをしながらリビングで朝食を食べている俺に話しかけてくる。


「喜一叔父さんの店に行くって前、話しただろ」


喜一叔父さんは父親の弟で、隣街で有名な和食料亭のオーナーを務めている。


予約必須の人気店だけれど、唯との記念日に何カ月も前から一番人気の個室を用意してもらったんだ。


「じゃあ行ってくる」


「いってらしゃい。叔父さんによろしくね〜」


家を出ると気持ちの良いほどの快晴で、太陽の眩しさに目を細めながら待ち合わせ場所へと向かった。