唯一の愛をキミに【完】
由香里の家はたまにみんなで来るけど相変わらず可愛いらしいファンシーな小物で溢れかえっていた。


「で!?わたしが別れたからって何で哲たちまでが別れる訳!?」


「唯に告白されたのちょうど一年前なんだ。唯に告白されたとき、俺は違う人が好きだった」


「えっ?」


由香里のその表情に、由香里に片思いしていた俺の気持ちに本当に由香里は気付いてなかったんだなと思った。


「だって、哲、あんなに唯ちゃんと仲良かったじゃない…」


「仲良かったよ。そいつの代わりとして唯のことを愛してたから」


「なんでその人に告白しなかったの?哲なら告白すれば付き合えたんじゃ!?」


「そいつ、彼氏がいたから。……由香里、おまえのことだよ」


由香里は目を見開いて信じられないとでも言わんばかりの顔を見せた。


「俺は、由香里のことがずっと好きだったよ」


由香里ぎバンっと勢いよく両手でテーブルを叩くとガタっと大きな音が立った。
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