唯一の愛をキミに【完】
「おい、大志。その前にまず訂正しろ。俺は昨日良い雰囲気になった女なんか一切いなかったからな」


「そんな細かいこと気にするなよ!俺たちが知りたいのはそこじゃないんだ!」


気にするわっ!大志みたいな歩く拡散希望よろしくな騒がしいヤツの言葉はすぐに大学中に広まって唯の耳にも入るだろうから。


「で?いつもクールで冷静沈着な哲が追いかける程の子ってどんな関係の子なわけ?」


充がテーブルに肘をついて、ワクワクした表情を見せながら聞いてきた。


「……彼女」


こいつらのテンションの高さにうんざりしながらそうボソッと呟く。


「「「彼女!!!???」」」


充と大志以外の声が振り向くと後ろには仁奈が目を見開いて突っ立っていた。


あぁ、これで今日中には大学内に俺が彼女が出来たと伝わるだろうな。


仁奈は大志以上に歩く拡声器だから。
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