唯一の愛をキミに【完】
たった一目会っただけでこの反応なら、


今から俺が鞄の中に仕舞い込んでいる水族館のチケット二枚、これを見せたら倒れるんじゃないかと笑いが溢れる。


「唯、お疲れ様」


「上原くん…どうして、ここに?」


「唯に話があってね。唯のバイトが終わるの待ってた」


そう言って軽くコーヒーの入ったグラスを軽く持ち上げると律がニコリと笑った。


「唯ちゃん。ちょうど良い時間だし、その荷物、冷蔵庫に仕舞ったら今日はもう上がっていいからね」


「あっ、はい。上原くん、すぐに片付けてくるからちょっと待っててね」


「急がなくていいよ。慌てないでね」


そう言うと唯はコクンと頷きキッチンの方に入っていった。


「哲が優しい〜気持ち悪〜」


「うるさい」


俺ををからかうように言う律にやっぱり今後はここで待ち合わせをするのは止めようと簡単に決意する。
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