唯一の愛をキミに【完】
デート当日、待ち合わせ時間より早く着いた俺は駅前の行き交う人たちを眺めながら唯を待った。


「上原くん、お待たせしました。ごめんね、遅れちゃって」


「いや、俺が早く来すぎただけだから平気。唯の方こそ早く着いたね」


「待ち合わせ時間って時間に余裕持っていたいから、いつも早く着いちゃう方なんだ」


性格上、待ち合わせ時間よりも早く着かないと落ち着かない性分で、


だけど唯も待ち合わせ時間より早く到着して、なんだか気が合うなと思った。


「それより唯。その服、可愛いね。似合ってるよ」


唯が今日着てきた服はオフホワイトのワンピースに薄ピンクのカーディガンを羽織っていて、


控えめな彼女の性格を表しているかのような、優しい色使いのコーディネートだった。


俺がそう褒めると唯は一気に顔を赤くした。


本当に初心な反応で、なんだかこっちまで照れてしまう。
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