唯一の愛をキミに【完】
そんな俺たちのやり取りを見て隣に座っていた仁奈がイヒヒと意味深な笑いをしながら彼女に目を配らせた。


それだけでわかった。


仁奈と律が俺に紹介しようとしている人物が彼女なんだと。


「彼女、日下 唯ちゃんっていうんだけどすっごい良い子よ。真面目だししっかりしてるし働き者、哲にはもったいないくらいよ」


「おい、付き合うなんて俺は一言も言ってないぞ」


「でも性格良い子だと思うよ。これはあたしの直感だけどね」


仁奈は本能で生きてるようなヤツだから仁奈の直感は正しいんだと思う。


だけど、正直タイプではない。


そんなことを思いながら他のテーブルで接客している彼女をチラリと見る。


如何にも純粋で恋愛を知らなさそうな女の子。


そんな印象だった。
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