正しい君の忘れ方

「ひき肉ってことはハンバーグ?いや…餃子?お弁当に餃子はないよね…」

なんてことをブツブツいいながら
エレベーターに乗り込む。

いつもどおり1階のボタンを押した。

ピロリン

LINEの通知が来たがどうせ
お母さんの追加注文だろうと思って

YouTubeを開いた。
お気に入りリストの中にある曲は
たったの2曲で、それも1つは
友達が入れたもの。
もうひとつは間違って押したもの。

私は最近テレビで見かけた
アーティストの名前を入力して
適当に選択した。

ドラムの荒々しい音と
ベースの重低音が心臓に響く。

駅前のスーパーは帰宅ラッシュで
混雑していた。

追加注文を確認しようと
LINEを開いた時だった。

「……ん…?浩太…コウタ?」
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