悲しみの舞華(まいはな)
三つ編みといて、
眼鏡外せば分かんないよね。
よし、いこう。
扉を開けると、
拓人と春と秋がいた。
どうやら蓮兎と勇御と美優は
いないようだ。
こちらにまず、
拓人が寄ってきた。
「貴方、誰ですか?」
全然気づいてない…
「あの、猫を探していて…
ここにいると聞い」
言葉の途中で、
クゥちゃんが春と秋に
かまってもらっている事に
気がついた。
「クゥちゃん!!」
「ミャ?」
こちらに振り向いて、私がいると気付くと
すぐに寄って来た。
「良かった、もう勝手に出て行っちゃダメだよ。心配したんだからね」
そう言うとクゥちゃんが反省したのかうつむきながら「ミャ––––」と鳴いた。
「よろしい」
私は微笑みながら言った。
「あの…」
ここに拓人たちがいるのを忘れていた。