悲しみの舞華(まいはな)
「あっ、すいません。
ありがとうございました」
こんな奴に言うのはしゃくだけど
一様クゥちゃんを預かってくれたし。
「いいんですよ」
「あの、お礼とかできなくて
すいません。じゃあ、これで失礼します」
「ねぇ、遊んでってよ〜」
そう言ったのは、
春だった。
「すいません。今日は用事があって…」
用事があるのは本当だ。
まぁ、どちらにしろ遊ばないが。
「用事って?」
春のしつこい癖はまだ
治ってなかったのか。
「………今日は、両親の命日なんです。
そのお墓まいりに行くんです」
「ご、ごめんね」
「大丈夫です。私には、
クゥちゃんがいますし」
「そっか、じゃあね」
「はい」
ペコっと会釈して
私は、龍道の倉庫を出た。
「クゥちゃん、行こっか」
「ミャッ」
クゥちゃんがいてくれればそれでいい。私は、いくらでも強くなれるから。