悲しみの舞華(まいはな)
私は、クゥちゃんに
ひっかかれた。
「いっつ…大丈夫ですか?」
「拓人〜、怖かった〜」
と美優は拓人に抱きついた。
「大丈夫ですか?」
「うん!大丈夫〜!」
「違います。美優じゃなくて貴方です」
私に拓人は言ってきた。
「へ?あ、大丈夫です。
慣れてますから」
変な声でちゃったよ!
「出血してますよ?」
「今から病院行くので
ついでに診てもらいますから」
「そうですか。そういえば何で、
美優をひっかこうとしたんですか?」
「人見知りなんです」
「春と秋には懐いてたのに?」
「はい、なぜかそうなんですよね」
「なぁ、お前名前なんていうの?」
そう訊いたのは勇御だった。
名前…か。う–––ん…
不死美 来魅華…ふしみくみか…ふみ…ふくみ…みか?不久美魅華(ふくみ みか)でいっか。