悲しみの舞華(まいはな)
「不来美魅華です」
「魅華か、美優を助けてくれてありがとな」
「いえ。それに元はといえば、注意しなかった私が悪いんですから」
総長は、美優が大切なんだね…妹的な存在かな、私もそうだったけど。そうだっただけ。今は違う。
「そんな事ない、ありがとう」
「はい、じゃあ失礼しますね」
「なぁ、なんで病院にいくんだ?」
それはお前が蹴ったからだよ!
「怪我したところがあって…」
「そうか、お大事にな!」
「はい」
私は、龍道のみんなの前を通り過ぎた。
「クゥちゃん、私の決断は
あってるよね?」
普通なら今、クゥちゃんの声が
聞こえるはずだが聞こえない。
「クゥちゃん…?」
周りにクゥちゃんが
いなかった。
「クゥちゃん!?」
道路に目を向けると、道路のど真ん中にクゥちゃんはいた。
「どうして!?」
前からはトラックがきていて、クゥちゃんは何故か足を怪我していて、うごけなかった。
「クゥちゃん!!」
私は走った…でも、間に合わなかった…