悲しみの舞華(まいはな)
最後の人、名前だけって…
秋みたい。
「よろしくお願いします?」
「なんで敬語?疑問系?タメでいいぞ!」
湊がそう言ってきた。
「う、うん。分かった」
「あと、全員呼びつけでいいですよ?」
「え…と…湊、凪、守琉、和也」
未来が目をキラキラさせながら私を見ていたので、「未来」と付け足した。
「私も自己紹介したほうがいい?」
「あぁ、頼む」
「えーと、私は富士美来魅華です」
「じゃぁ、クミだな!」
「クミ?」
「ダメか?」
「ううん、いいよ!」
私は、なぜかその時微笑んだ。これは作り笑顔だったのか、本物の笑顔だったのか…
私にもわからない。