悲しみの舞華(まいはな)
姫
あの後、未来が本題にはいった。
「クミちゃん、今日はお願いがあって連れてきたんだ。クミちゃんに『光華』の姫になってほしい」
姫…その言葉であの日、拓人が私を姫にした日の事がよみがえってきた。
私は、もう…
「いや」
「どうして?」
「やりたくない。どうせ裏切るんだから…」
「僕は、僕達はそんなことしない」
未来が真剣な目で私に言ってきた。
「なんで言いきれるの?」
「わかんない、でも僕は絶対に
裏切らないよ。クミちゃんを」
「最初はそう言えるんだよ…」
拓人だって…「絶対、来魅華を信じますよ」って言ったのに裏切った。
「仲間なんていらない」
「クミちゃん、もう一度迎えに来るから考えといて」
「分かった…」