悲しみの舞華(まいはな)
「そうですか。良かったです」


「ねぇ、どうしたの?」


「それは、私に言ってるんですか?」


「そうだよ?」


「どうしたって何がですか?」


「死にそうな顔をしてる。
って言えばわかる?」


「…それは当たってますね」


「どうして?」


「一言で言えば“裏切られた“ですかね」


「そっか…。じゃあ僕n「では、失礼します」
えぇ!?ちょっと待ってよ〜」


「嫌です」


即答してから、急いで
家に戻った。
後ろから「待って〜」と
いう声も聞こえたけど無視。


私はアパートに住んでいる。
ごく普通のアパートだ。


ドアを開けて「ただいま」
必ずそう言う。
返事は返ってこないのに。


でも、愛らしい猫のクゥが
私をいつも出迎えてくれる。


今となっては、もうこのクゥ
しか大切なものはない。
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