悲しみの舞華(まいはな)
「ちょっ…」
未来は、私の顎を掴んで少しあげた。
「え…未来?」
「クーちゃんは藻神拓人の事を、どう思ってるの?」
「もちろん嫌いに決まっ…」
決まって…る…?
「クーちゃん?」
「ごめん…今日は、帰る」
私はそのあと、家に帰った。
え…なんで、なんで…私、拓人のことが嫌いでしょ?
もう、やだ…
誰か教えてよ…
雨里…雷樹…
あぁ…また違うこと考えちゃった。
なんであの2人が出てくるんだろ…でも、もう一度会えたらな…
私はその日から一ヶ月、ずっと未来にあっていない。もちろん学校にも行ってないし、家にも帰っていない。
いま私がやっている事は族潰し。私は…いや、俺は今、『滅鬼』になっている。
『滅鬼』の時の主語は俺。そして、今日も一つ潰しに行く全国No.3の『鬼針』だ。
『鬼針』の倉庫に着くと、俺は倉庫の扉を蹴破った。
「誰だお前!」
「ビンゴ…。It’s show time」
「なんだテメェ!」
「黙れ」
俺が殺気を少しだけだすと、足に力がぬけたのか膝をついた。
「よっわいなぁ。なーにが『鬼針』だ。鬼っていうのはななぁ俺みたいな奴のことを言うんだよ!」
手加減しながら相手を殴った。
ガンッ
「あそこ凹んでる。全然力だしてないのに。
あぁ、壁がモロいのか」
(違うよ!来魅華の力が強いんだよ!?
by作者)