悲しみの舞華(まいはな)
「クーちゃんも来るよね!」
「…うん、しょうがないから行ったげる」
「ツンデレ!?ついに久魅華もついにツンデレが来てしまったの!?」
「うるさい雨里」
「早く行こうぜ!」
「「もう、あんたはうるさいんだから」」
「2人はもしかして姉妹なの!?」
「「んなわけあるか」」
「あ–、こいつら昔からよくハモるんですよ。それほど仲が良いって事すかね」
「へ〜」
「い、いいから行くよ!」
「そうだな!!」
「そうよ!早く『王子』に会いたいし!!あ〜!楽しみっ!」
ふたりともテンション高っ。
「クーちゃん!倉庫に行ってからちゃんと説明してね!」
「来なくなった理由は内緒で。
他の事ならなんでも」
「じゃぁ!クーちゃん何カップ?」
「未来、殴るよ」
「ご、ごめんなさい」
私はこんなふうに話すのは久しぶりだ。だから、久しぶりに見た未来の姿にも微笑ましい。
「迎えに来てくれてありがと…」
私は声になるかならないかの大きさでつぶやいた…それを未来が聞いていたとは知らずに。