悲しみの舞華(まいはな)



来魅華side



たとえ元仲間でも容赦はしない。雨里は私の家族なんだから!もちろん雷樹もだよ!



雨里は喧嘩はできないから…良かった…私がここにいて。



「あれ?何で倒れてる人いんの?」



『龍道』と(姫は倒れた)『光華』だけがその場に立っていた。



「あれ?また凹んでる。この頃の壁はもろいなぁ」



前の倉庫だって凹んでたし。



「お前が強いだけだよ!」



(雷樹ナイスつっこみ!by作者)



「そう?全然力入れてないし…ルビーだって…あっ、持ってきてない」



「ルビー?何の事?」



「何でもないよ!」



危ない…バレるとこだった。



「お前、何者だ」



蓮兎が私に訊いてきた。



「何者?不来美魅華」



これも嘘だけどね。



「ミィちゃんすごいねぇ〜!」



「ありがと、未来」



「劣ってないね…まだまだ」



「もっち〜だよ」



「貴女、本当に『光華』の姫ですか?
そうは思えない強さですが…」



「姫だから守られなきゃいけないの?私には理解ができない。自分の身くらいは、自分で守る」



「そう…ですか」



「ミィ、今日は帰るか」



「そうだね、守琉。皆、帰ろ!」



皆は微笑んで頷いてくれた。



私達は『龍道』を無視して、教室を出た。でも、私は少し気になったことがあった。



それは、私が拓人に言い返した後、拓人が暗い顔をしていたこと。



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