悲しみの舞華(まいはな)
朝起きると、未来はまだ寝ていた。
「未来、起きて」
「ん〜?だれ〜?」
未来はうっすらと目を開けた。
「おはよ、未来」
「ん〜?なんだクーちゃんか〜おはよ〜。ん?クーちゃん?え!?クーちゃん起きたの!?」
「え?う、うん。
昨日の夜中に起きたけど?」
「そうだったの!?起こしてくれれば良かったのに!
あ!ナースコール!」
未来は慌てて、ボタンを押した。
先生が来ると、状態を観てもらった。
「そうですね…問題はありませんが、まだ、傷が完全に治りきっていないのであと1ヶ月は入院ですね」
「分かりました。ありがとうございます」
「はい」
先生が出て行った後、未来と他愛もないお喋りをしていると、『光華』のみんながお見舞いに来てくれた。
「来魅華さん!大丈夫ですか!?」
「大丈夫だよ。まだ、もうちょい入院しなきゃいけないけど」
「そうっすか、お大事にっす」
「うん!ありがと」
「はい!」
下っ端くんたちが出て行くと、幹部のみんなが来てくれた。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう、凪」
「いいえ」
「なぁ!もうすぐ夏休みに入るし、そしたら海にいかねぇか?」
「うん!行きたい!」
「傷に触らないか?」
「大丈夫、大丈夫!」
「クミ、その髪…」
「これ?地毛だよ。今まで隠してたの。ごめんね…」
「そっか…綺麗だよ…この髪の色」
「ありがと!和也!」
「うん」