悲しみの舞華(まいはな)
「ケータイに仕込んであるGPSで凪に特定してもらって、すぐにこっちに向かったから…」
「そうだったんだ…」
クーちゃんまだ泣いてる…
チュッ
僕はクーちゃんの唇に触れるだけのキスをおとした。
「え…?」
クーちゃんは、僕の行動に驚いたのか、涙が止まっていた。
「クーちゃん、僕はクーちゃんの事が好き。仲間としてじゃなくて、1人の女の子として僕は好きなんだ。
でも、クーちゃんは藻神拓人の事が好きなんでしょ?だからこれは聞かなかった事にして」
「未来…」
来魅華side
未来が私を好き…?
私は…?未来を…?
「私は…好き」
「仲間としてでしょ?」
「違う…私は、未来のことを1人の男の子として好き。
拓人が2人っきりにしてって言った時、『もう一度付き合ってくれませんか?』って言われたの。
でも、未来の顔がうかんできた。今気づいたの。私は未来が好き。
未来、私を彼女にしてくれませんか?」
私がそう言い終えると、未来は涙をながしていた。
「み、未来…?」
「もちろんだよ!今日から…クーちゃんは僕の彼女!」
「…うん!」
その後、警察が来て『毒蘭』を逮捕した。
私は無事病院に戻り、今は未来とまたお喋りしている。
未来がふいにこう言った。
「クーちゃん、クーちゃんは『黒蝶』なんかじゃないよ?
無理して笑ってたんでしょ?」
「え…?」
「クーちゃんは、そんな残酷な子じゃない。
心優しい子だよ?
だから、今日からクーちゃんの通り名は舞華。
舞う華だよ?
ピッタリでしょ?
もう無理して笑わなくていいんだよ?
嬉しい時は笑えばいい。
悲しい時は泣けばいい。
僕が受け止めるから」
「み…らい…」