花盗人も罪になる
同窓会の夜に
夕方、予定より1時間ほど遅れて心咲が希望を迎えにきた。
逸樹は二人を見送った後、心咲に頼まれていた希望の七五三の写真と、大阪土産を持って家を出た。
そして1時間ほど車を走らせ、紫恵の実家にやって来た。
もう同窓会が始まっている頃だろう。
元カレの存在も気になるが、せっかく久しぶりに会う友人たちと楽しんでいるのだから、邪魔はしたくない。
紫恵から連絡があったら車で迎えに行くことになっていると紫恵の父が言ったので、逸樹は父の代わりに紫恵を迎えに行くことにした。
同窓会が始まり1時間半ほど経った頃、幹事が二次会に行くメンバーを確認し始めた。
圭も春菜も参加するようだが、綾乃は子供たちの様子が気になるから二次会には参加せずに帰るらしい。
「紫恵も行くでしょ?」
「うーん……どうしようかな……」
あまり強くもないのに、今日はその場の雰囲気に乗せられて少し多めにお酒を飲んだ。
二次会に参加したい気持ちも少しあったが、今日は実家に泊まるのはやめて父に自宅まで送ってもらおうかと紫恵は考えていた。
二次会にまで参加したら、まともに話すこともできなくなるかもしれない。
帰ってもまともに話せないほど酔っていたら、逸樹と何も話せなくなってしまう。