花盗人も罪になる
「あれ、一人?」
「今はね」
「なんだよ、紫恵全然飲んでないじゃん。一緒に飲もうぜ」
松山は店員を呼び止め、紫恵が聞いたこともない名前のお酒を2つ注文して、空いていた隣の席に座り、じっと紫恵を見つめた。
「それにしても紫恵はホント、昔と全然変わらないな」
「成長してないってこと?」
「いや、相変わらずかわいいってこと」
なんだかやけにじろじろ見られているような気がするし、その距離が近いような気がする。
「またまた……調子いいんだから。そんなこと言ってるとナナちゃんに怒られるよ?」
気のせいかなと思いながら、紫恵は会話を続けた。
「紫恵、結婚したんだろ? 何年になる?」
「結婚して6年ちょっとだから、今7年目。松山くんもナナちゃんと早くに結婚して子供が3人もいるんでしょ?」
「うちは9年目。子供は8歳と5歳と2歳」
30歳にして9年目ということは、大学在学中に結婚したのだろう。
店員が運んできたお酒を松山が受け取り、ひとつを紫恵に手渡した。
なかば強引に乾杯させられ、紫恵は仕方なくお酒を飲む。
「今はね」
「なんだよ、紫恵全然飲んでないじゃん。一緒に飲もうぜ」
松山は店員を呼び止め、紫恵が聞いたこともない名前のお酒を2つ注文して、空いていた隣の席に座り、じっと紫恵を見つめた。
「それにしても紫恵はホント、昔と全然変わらないな」
「成長してないってこと?」
「いや、相変わらずかわいいってこと」
なんだかやけにじろじろ見られているような気がするし、その距離が近いような気がする。
「またまた……調子いいんだから。そんなこと言ってるとナナちゃんに怒られるよ?」
気のせいかなと思いながら、紫恵は会話を続けた。
「紫恵、結婚したんだろ? 何年になる?」
「結婚して6年ちょっとだから、今7年目。松山くんもナナちゃんと早くに結婚して子供が3人もいるんでしょ?」
「うちは9年目。子供は8歳と5歳と2歳」
30歳にして9年目ということは、大学在学中に結婚したのだろう。
店員が運んできたお酒を松山が受け取り、ひとつを紫恵に手渡した。
なかば強引に乾杯させられ、紫恵は仕方なくお酒を飲む。