花盗人も罪になる
翌日の夜、逸樹が帰宅すると、珍しく希望の姿はなかった。
「今日はののちゃんいないの?」
「うん、今日はお姉ちゃんが珍しく早く仕事終われたって。7時前に迎えに来たよ」
「そうなんだ」
ネクタイをゆるめながらダイニングを横切ろうとすると、テーブルの上に一枚のハガキが置かれていることに気付いた。
「ん?何これ?」
逸樹がハガキを手に取り眺めていると、キッチンでスープを温めながら紫恵が振り返る。
「高校2年の時の同窓会があるんだって」
「へーぇ……同窓会かぁ……」
逸樹は高校時代の紫恵を知らない。
逸樹が社会人になって2年が過ぎた頃、近所のコンビニでアルバイトをしていた紫恵と出会った。
紫恵は短大を出た後に勤めていた会社が突然倒産して、なかなか再就職先が見つからず、フリーター生活を余儀なくされた。
紫恵に一目惚れした逸樹が会社帰りに毎日そのコンビニに通い、何度も顔を合わせているうちに世間話をするようになり、半年後に思いきって告白したのは逸樹の方だった。
「今日はののちゃんいないの?」
「うん、今日はお姉ちゃんが珍しく早く仕事終われたって。7時前に迎えに来たよ」
「そうなんだ」
ネクタイをゆるめながらダイニングを横切ろうとすると、テーブルの上に一枚のハガキが置かれていることに気付いた。
「ん?何これ?」
逸樹がハガキを手に取り眺めていると、キッチンでスープを温めながら紫恵が振り返る。
「高校2年の時の同窓会があるんだって」
「へーぇ……同窓会かぁ……」
逸樹は高校時代の紫恵を知らない。
逸樹が社会人になって2年が過ぎた頃、近所のコンビニでアルバイトをしていた紫恵と出会った。
紫恵は短大を出た後に勤めていた会社が突然倒産して、なかなか再就職先が見つからず、フリーター生活を余儀なくされた。
紫恵に一目惚れした逸樹が会社帰りに毎日そのコンビニに通い、何度も顔を合わせているうちに世間話をするようになり、半年後に思いきって告白したのは逸樹の方だった。