花盗人も罪になる
「あれ……? 実穂って確か、去年結婚したとこだよね?」
黙って話を聞いていた圭がそう言うと、春菜は口の中のパスタを水で流し込んだ。
「実穂の旦那、いきなり単身赴任だって」
「実穂はなんで旦那さんについていかなかったの?」
新婚で専業主婦で子供がいない実穂なら、夫について行ってもおかしくはない。
よほどついて行きたくない理由でもあったのかと紫恵は考える。
「知らない土地に行ってうまくやっていける自信がないっていうのは口実で、実穂は旦那のことあまり好きじゃないらしい」
「えっ? じゃあなんで結婚したんだろ……」
「経済的に魅力的だったから」
「そんな理由で……?」
紫恵が不思議そうに呟くと、春菜はニヤリと意地悪な笑みを浮かべた。
「紫恵は旦那さんに溺愛されてるもん。いつまでも夫婦でラブラブの紫恵にはわからないよねぇ」
春菜に冷やかされ、紫恵は少し恥ずかしそうにうつむいて、必要以上に丁寧にパスタをフォークに巻き付けた。
綾乃はそんな紫恵を見て笑いをこらえながらピザに手を伸ばした。
「松山も実穂もよくやるわ……。二人とも結婚してるからダブル不倫ってやつね」
「お互い遊びなんだってさ。結婚相手では満足できない部分を浮気相手で補うらしい」
黙って話を聞いていた圭がそう言うと、春菜は口の中のパスタを水で流し込んだ。
「実穂の旦那、いきなり単身赴任だって」
「実穂はなんで旦那さんについていかなかったの?」
新婚で専業主婦で子供がいない実穂なら、夫について行ってもおかしくはない。
よほどついて行きたくない理由でもあったのかと紫恵は考える。
「知らない土地に行ってうまくやっていける自信がないっていうのは口実で、実穂は旦那のことあまり好きじゃないらしい」
「えっ? じゃあなんで結婚したんだろ……」
「経済的に魅力的だったから」
「そんな理由で……?」
紫恵が不思議そうに呟くと、春菜はニヤリと意地悪な笑みを浮かべた。
「紫恵は旦那さんに溺愛されてるもん。いつまでも夫婦でラブラブの紫恵にはわからないよねぇ」
春菜に冷やかされ、紫恵は少し恥ずかしそうにうつむいて、必要以上に丁寧にパスタをフォークに巻き付けた。
綾乃はそんな紫恵を見て笑いをこらえながらピザに手を伸ばした。
「松山も実穂もよくやるわ……。二人とも結婚してるからダブル不倫ってやつね」
「お互い遊びなんだってさ。結婚相手では満足できない部分を浮気相手で補うらしい」