花盗人も罪になる
その日の会社帰り、香織は夕飯を買うためにスーパーに立ち寄った。
今日は母親が友人と旅行に行っていて、夕飯は自分で済ませなければいけない。
何を作ろうか。
父も弟も夕飯は外で済ませると言っていたし、作っても食べるのは自分だけだ。
いっそのこと安い弁当でも買って帰ろうか。
そんなことを思いながら歩いていると、小さな女の子がすごい勢いで香織の足元にぶつかってきて倒れ込んだ。
香織は驚いてその場にしゃがみ、女の子を抱き起こした。
「大丈夫?どこか痛いとこない?」
「んーとね、ここちょっと痛いの」
女の子は膝を指差した。
ちょっと赤くなってはいるが、大きな怪我はなさそうだ。
香織は女の子の膝を優しくさすった。
「走ったら危ないよ?」
「ごめんなさぁい……」
「ママと一緒に来たの?」
「えっとね、ママじゃないよ。しーちゃんと来たの」
「しーちゃん……?」
母親でなければお姉ちゃんと来たのかもしれない。
「お菓子見てたら、しーちゃんいなくなっちゃった」
「そうなの? 一緒に探そうか」
今日は母親が友人と旅行に行っていて、夕飯は自分で済ませなければいけない。
何を作ろうか。
父も弟も夕飯は外で済ませると言っていたし、作っても食べるのは自分だけだ。
いっそのこと安い弁当でも買って帰ろうか。
そんなことを思いながら歩いていると、小さな女の子がすごい勢いで香織の足元にぶつかってきて倒れ込んだ。
香織は驚いてその場にしゃがみ、女の子を抱き起こした。
「大丈夫?どこか痛いとこない?」
「んーとね、ここちょっと痛いの」
女の子は膝を指差した。
ちょっと赤くなってはいるが、大きな怪我はなさそうだ。
香織は女の子の膝を優しくさすった。
「走ったら危ないよ?」
「ごめんなさぁい……」
「ママと一緒に来たの?」
「えっとね、ママじゃないよ。しーちゃんと来たの」
「しーちゃん……?」
母親でなければお姉ちゃんと来たのかもしれない。
「お菓子見てたら、しーちゃんいなくなっちゃった」
「そうなの? 一緒に探そうか」