花盗人も罪になる
「しーちゃん、近田さん知ってるの?」
「スーパーでののちゃんが迷子になった時にお世話になったんだけど……昨日偶然うちの手芸教室にお母さんと一緒に来て、羊毛フェルトであの犬作ってた」
それを聞いた逸樹はとても驚いた顔をした。
「そうなんだ、すごい偶然だなぁ。近田さんは俺の職場の部下なんだよ」
「えっ、職場の部下?!」
「うん」
世間は案外せまいようだ。
もしかするとこれまでもどこかで会っていたのかもしれないが、逸樹が今の部署に配属になってからまだ日も浅い。
逸樹の部下の香織が希望と知り合い、偶然にも紫恵の手芸教室の生徒になった。
休日の公園で希望を遊ばせていた逸樹が、犬の散歩に来ていた香織と偶然出会った。
希望もいたことだし、ただ一緒に散歩しただけだとは思うが、紫恵の胸はなんとなくモヤッとする。
急に黙り込んでしまった紫恵を、逸樹は不思議そうに眺めた。
「しーちゃん、どうかした?」
「……先週はそんなこと言わなかったのに……」
ボソボソと不服そうに呟く紫恵を見て、逸樹は首をかしげた。
「先週は家に帰って昼御飯食べてののちゃんと昼寝したらすっかり忘れてた」
「ふーん……」
「スーパーでののちゃんが迷子になった時にお世話になったんだけど……昨日偶然うちの手芸教室にお母さんと一緒に来て、羊毛フェルトであの犬作ってた」
それを聞いた逸樹はとても驚いた顔をした。
「そうなんだ、すごい偶然だなぁ。近田さんは俺の職場の部下なんだよ」
「えっ、職場の部下?!」
「うん」
世間は案外せまいようだ。
もしかするとこれまでもどこかで会っていたのかもしれないが、逸樹が今の部署に配属になってからまだ日も浅い。
逸樹の部下の香織が希望と知り合い、偶然にも紫恵の手芸教室の生徒になった。
休日の公園で希望を遊ばせていた逸樹が、犬の散歩に来ていた香織と偶然出会った。
希望もいたことだし、ただ一緒に散歩しただけだとは思うが、紫恵の胸はなんとなくモヤッとする。
急に黙り込んでしまった紫恵を、逸樹は不思議そうに眺めた。
「しーちゃん、どうかした?」
「……先週はそんなこと言わなかったのに……」
ボソボソと不服そうに呟く紫恵を見て、逸樹は首をかしげた。
「先週は家に帰って昼御飯食べてののちゃんと昼寝したらすっかり忘れてた」
「ふーん……」