花盗人も罪になる
「出張中、奥さんに会えなくて寂しくなかったですか?」
香織の口から、無意識にその言葉がこぼれ落ちた。
突然の問い掛けに逸樹はポカンとしている。
「あ……すみません、変なこと聞いちゃって……。忘れてください」
香織は自分が言った言葉を、慌てて取り消そうとした。
その様子を逸樹は不思議そうに見ている。
「……どうかしました?」
「いえ、あの……たいしたことじゃ……」
「何か悩みでもあるんですか?」
予想外に掛けられた逸樹の言葉に、香織は黙ってうなずいた。
「僕で良ければ、聞くぐらいはできますよ?」
池の周りを一周歩き終えて、香織と逸樹は並んでベンチに座った。
「近田さんの悩みはなんですか?」
りぃと遊ぶ希望を眺めながら逸樹が尋ねた。
香織は少しためらいがちに口を開く。
「遠距離恋愛中の彼がいるんです」
「遠距離恋愛……ですか?」
「付き合いだして半年ほどで彼が転勤になって……それからもう1年になります」
「1年? それはまた……」
逸樹は少し驚いた様子で、香織の次の言葉を待った。
「仕事で忙しくてもなんとか時間を作って月に一度は会いに来てくれて……電話とかメールとか連絡も途絶えずに、それなりにうまくいってたと思うんですが……ここしばらくは連絡が取れないんです」
「それは心配ですね」
香織の口から、無意識にその言葉がこぼれ落ちた。
突然の問い掛けに逸樹はポカンとしている。
「あ……すみません、変なこと聞いちゃって……。忘れてください」
香織は自分が言った言葉を、慌てて取り消そうとした。
その様子を逸樹は不思議そうに見ている。
「……どうかしました?」
「いえ、あの……たいしたことじゃ……」
「何か悩みでもあるんですか?」
予想外に掛けられた逸樹の言葉に、香織は黙ってうなずいた。
「僕で良ければ、聞くぐらいはできますよ?」
池の周りを一周歩き終えて、香織と逸樹は並んでベンチに座った。
「近田さんの悩みはなんですか?」
りぃと遊ぶ希望を眺めながら逸樹が尋ねた。
香織は少しためらいがちに口を開く。
「遠距離恋愛中の彼がいるんです」
「遠距離恋愛……ですか?」
「付き合いだして半年ほどで彼が転勤になって……それからもう1年になります」
「1年? それはまた……」
逸樹は少し驚いた様子で、香織の次の言葉を待った。
「仕事で忙しくてもなんとか時間を作って月に一度は会いに来てくれて……電話とかメールとか連絡も途絶えずに、それなりにうまくいってたと思うんですが……ここしばらくは連絡が取れないんです」
「それは心配ですね」