初めての相手は無愛想上司


そんなことより、手を退けて欲しい
桜庭?と
声がしたが、全く動こうとしない


『あ、あの…、手を退けて、いただけないで、…しょうか』


なんとか言えた言葉に
小山課長は自分の手がどこにあるのか
初めて気がついた様子


悪い、と言いながら
手を動かした



あ。んっ、



いったい何を発しているんだと
慌てて手で口を抑えた

小山課長の手が…擦れたわけで
それに私は反応してしまったわけで…

は、は、は、恥ずかしい



「可愛い」


耳元で聞こえてくる甘い声に
身体がオカシイ、と気がついた


身体が熱い
今までにないくらい熱い
訴えようにも
どう表現していいものか…

どうしようもない感情に
小山課長を見てしまった
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